『社長ドル・マート』レビュー｜元アイドルの奮闘×再生物語 春の続きをスーパーで

最初にあらすじを聞いたときは、「元アイドルたちがスーパー経営って、ちょっとコメディ寄りなのかな？」と思っていたんですが、
実際に観てみると、良い意味でその予想を裏切られました。
確かに笑えるシーンもたくさんあるし、テンポも軽快なんですが、それ以上に心に残ったのは、夢が終わった後の人生に向き合う彼らの姿です。
ステージの光を浴びていた日々が過ぎ去り、それぞれに抱えている後悔や不安、そしてもう一度立ち上がろうとする強さが、すごく丁寧に描かれていて…。
気づけば、完全に感情移入していました。

彼らがスーパーという現実的な舞台で、失敗したり悩んだりしながらも、少しずつ前に進んでいく過程が本当にリアルで、
見ているこっちまで励まされるような気持ちになります。
ユーモアと感動のバランスも絶妙で、「今日はちょっと疲れたな…」という日でも、自然と観たくなるような、
そんな優しさとあたたかさのあるドラマです。
そして何より、人と人とのつながりの描き方がとても繊細。
派手な演出や大げさな展開はないけれど、その分、ちょっとした表情や会話の中に込められた感情がじんわりと伝わってきて、
見終わる頃には心がぽかぽかしていました。

「キラキラした青春だけじゃなくて、その先の人生だってちゃんと描けるんだな」と、改めて韓国ドラマの奥深さを感じさせてくれる作品でした。
肩の力を抜いて楽しめるけど、見終わったあとに何かが残る、そんなドラマを探している人には、ぜひおすすめしたい作品です。

夢に破れた元アイドルたちが、仲間との絆を再確認しながらふつうの生活に向き合っていく物語。きらびやかな舞台から一転、地味なスーパーでの奮闘は、決して派手ではないけれど、だからこそ心に響くリアルな希望に満ちています。
ここからは5つの視点でその魅力を探っていきましょう。

1. チェ・ホラン｜心を掴まれてしまった存在感

チェ・ホラン（イ・シニョン）というキャラクター、最初は冷静で理性的な印象だったんですが、見ていくうちにどんどん惹かれていきました。元アイドルグループのリーダーとしての責任感や、ちょっと不器用だけど仲間思いな優しさがじわじわと伝わってきて、気づいたら応援せずにはいられなくなってました。

彼が抱えている葛藤、過去の栄光と今の現実、その間で揺れながらも前に進もうとする姿が本当にリアルで。「ああ、こういう気持ち、わかるな」と思える瞬間がたくさんあるんです。スマートじゃないけど、必死に新しい道を探すホランの姿に、自分を重ねてしまう人も多いんじゃないでしょうか。

特に、仲間のために自分の弱さを隠して決断する場面や、ふと見せる素の表情にはグッときました。彼の成長を見守るのがこんなにも楽しくて胸が熱くなるとは…予想してませんでした。チェ・ホランというキャラクターを通して、「立ち止まっても、また進めばいいんだ」って、そんなメッセージを受け取った気がします。

2. 仲間たちとの再会がくれた安心感とあたたかさ

チェ・ホランと仲間たちの再会シーン、ほんとに良かったです。かつて同じ夢を追いかけていたけれど、今はみんなそれぞれ違う道を歩んでいて…。最初はぎこちない距離感があるんだけど、それが少しずつ変化していく過程が丁寧に描かれていて、見ていて自然と気持ちがほぐれていくような感覚がありました。

ぶつかり合うシーンも多いけど、それがちゃんと意味のある衝突なんですよね。対立じゃなくて、お互いを理解しようとするプロセスというか。その過程がすごくリアルで、まるで自分も昔の友達と久しぶりに再会して、ちょっとずつ距離が縮まっていく…そんな感覚にさせてくれました。

それに、地域の人たちとの関係もあたたかくて、年齢や背景が違っても人はちゃんと繋がれるんだっていう希望を感じました。すれ違いの先にある絆、っていうテーマが、静かにでも力強く伝わってくる作品です。気づけば心がじんわり温かくなっていて、やっぱりこういうドラマっていいなって思いました。

3. スーパーの中で繰り広げられる、笑いと涙のミニドラマ

『社長ドル・マート』って、元アイドルたちの再出発がメインではあるんですけど、それだけじゃないんですよね。私が特に好きだったのは、スーパーという空間の中で生まれる、ちょっとした人間ドラマ。店長さんや常連のおばあちゃん、買い物に来る子どもたち…。彼らとの何気ない会話やふれあいに、毎回心がふっとあたたかくなりました。

派手じゃないんだけど、そういう日常のひとコマが、すごく丁寧に描かれていて。「あ、こういうの、うちの近所にもあるな」とか、「この感じ、懐かしいな」って思える瞬間がたくさんあって。メインストーリーとは別に、もう一つの小さなドラマがちゃんと息づいてるんです。

まるで、自分の街にある昔ながらのスーパーをのぞいてるみたいな感覚。そこに集まる人たちの人生が重なり合って、静かに流れる時間が、なんとも言えず心地いいんですよね。脇役たちが放つぬくもりが、物語全体をほんのり照らしてくれているような、そんな優しさがありました。

4. 元アイドルたちの奮闘！商売ってこんなに大変だったんだ

元アイドルたちがスーパーを経営し始めるんですが、最初は「なんだか楽しそう！」なんて思っていた自分が恥ずかしくなるくらい、現実は厳しかったです。仕入れのタイミングを外せば在庫は余るし、売上は思うように伸びないし、お客さんの反応は意外とシビア…。テレビで見る「商売」のイメージが、一気にひっくり返されました。

でも、そんな中で彼らが試行錯誤しながら、一歩ずつ成長していく姿が本当にリアルで、見ていてつい感情移入してしまいました。常連さんができたり、「おいしかったよ」って言ってもらえたり、そういう小さな出来事が、彼らにとって大きな意味を持つんですよね。その嬉しさがすごく伝わってきて、私までうれしくなっちゃいました。

失敗して落ち込んだり、仲間とぶつかりながらも、また翌日には笑顔で店を開ける。そんな彼らの日常が、ほんとに愛おしくて。夢を追っていたアイドル時代とは違うけれど、ここにも確かな輝きがあるんだなって、改めて思わせてくれる物語です。

5. 『社長ドル・マート』が他の恋愛ドラマと違う理由

「再起」というテーマをユーモラスに、でも誠実に描いているからこそ、多くの視聴者の共感を呼びます。夢が終わったあとに何をするか…。その問いに優しく寄り添う作品。
落ち込んだ時、ちょっとだけ背中を押してほしいとき、そんな時に観てほしいドラマです。

💡 『社長ドル・マート』を観るなら？
現在、本作は以下の配信サービスで視聴可能です。
✅ U-NEXT、FOD、Hulu 他（※配信状況は変更になる可能性があります）