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『誘拐の日』レビュー|涙とぬくもりが交差する“疑似親子”の物語

2025/05/31

レビュー〈韓国ドラマ〉

記憶喪失の少女と間抜けな誘拐犯が織りなす異色のヒューマンサスペンス。事件の裏に隠された真実と、徐々に芽生える親子のような絆に心を揺さぶられること間違いなし。感情の機微を巧みに描いた物語が、深い余韻を残します。ミステリーに温もりを添えたこの作品は、誰かと一緒に語りたくなる傑作です。
更新 2025.05.31

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作品概要と基本情報

こんな人におすすめ!

✅サスペンスと感動が両立したドラマが好きな人
✅子どもと大人の絆を描いた作品に弱い人
✅推理要素とヒューマンドラマを両方味わいたい人
✅意外性のあるストーリー展開を楽しみたい人

ドラマの基本データ

最初は誘拐を題材にしたスリリングな展開かと思いきや、見ていくうちに登場人物たちの背景が心に刺さるようになりました。特に子役ユナの演技力に圧倒され、涙腺が何度も刺激される展開に…。本作の魅力を、ここからじっくりご紹介します。

作品情報
タイトル 誘拐の日
原題 유괴의 날
英題 The Kidnapping Day
ジャンル 犯罪、スリラー、ヒューマン、ミステリー
2023年
話数 全12話
脚本 キム・ジェヨン
演出・監督 パク・ユヨン

放送・配信について

韓国の放送・配信について
チャンネル ENA
配信サイト Genie TV、TVING、coupang play
公開・配信日 2023年9月13日~
日本の放送・配信について
配信サイト prime video
配信日 配信中

あらすじ

娘の治療費を用意するため、ミョンジュンは妻ヘウンの提案を受け入れ、11歳の少女ロヒを誘拐するという計画に加わることになります。実行の日、目的地に向かう途中で、突然彼の車の前にロヒ本人が現れます。ロヒはそのまま気を失い、ミョンジュンは彼女を自宅に連れ帰ることに。

目を覚ましたロヒは記憶を失っており、ミョンジュンはとっさにロヒの父親のふりをして、その場をしのぎます。計画どおり両親に身代金を要求しようとしますが、何度連絡しても応答はありません。不安に駆られてロヒの家を訪れると、そこでは彼女の両親が何者かに殺され、遺体として運び出されるところでした。

予期せぬ事件に巻き込まれ、犯人に仕立て上げられることを恐れたミョンジュンは、ロヒを連れて身を隠すことにします。しかし、一緒に過ごすうちに、ロヒはミョンジュンに対して徐々に疑念を抱くようになっていきます。

[このブログでは、prime videoの作品情報を参考にあらすじをわかりやすく再構成しています。]

キャスト

キム・ミョンジュン役

キム・ミョンジュン役の役柄
病気の娘の治療費を稼ぐために誘拐を計画するという、どこか不器用で憎めない誘拐犯。
最初は頼りなさ全開の中年男性ですが、ロヒとの触れ合いを通じて少しずつ“父性”のようなものが芽生えていきます。
ユン・ゲサンはこの役を、間抜けさと優しさが絶妙に混じった演技で見事に表現しており、視聴者の心をじんわり掴んで離しません。表情やセリフ回しのひとつひとつがリアルで、感情移入せずにはいられませんでした。
キャスト名 ユン・ゲサン
이름 윤계상
Name Yoon Kye Sang
生年月日 1978年12月20日
血液型 O型
身長 182㎝
Instagram yoonkyesang.official
代表作品 誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる
この恋は不可抗力
キス・シックス・センス
クライムパズル
グッドワイフ 彼女の決断

パク・サンユン役

パク・サンユン役の役柄
事件を追う冷静な刑事。どこか影のある雰囲気がキャラクターに深みを与えていて、つい目が離せなくなりました。
パク・ソンフンは無機質さと怒りの内面を繊細に演じ分ける技術が秀逸で、静かに迫る圧力のような存在感が印象的でした。
キャスト名 パク・ソンフン
이름 박성훈
Name Park Sunghoon
生年月日 1985年2月18日
血液型 A型
身長 183㎝
Instagram boxabum
代表作品 イカゲーム2、3
涙の女王
ソンサン -弔いの丘-
ラブ・パッセンジャー ~私たちの恋愛事情~
ザ・グローリー ~輝かしき復讐~ 1、2

チェ・ロヒ役

チェ・ロヒ役の役柄
記憶を失った天才少女。誘拐されたことをきっかけに、周囲の人々の人生を大きく動かす存在に。
一部の記憶を失っているというミステリアスな設定ながら、その洞察力と判断力で周囲の大人を圧倒する場面も。
ユナはその年齢とは思えない落ち着きと知性あふれる演技でロヒを体現しており、子役ながら作品の軸をしっかり支えていました。特に目の演技が光っていて、台詞よりも表情で語る場面に何度も引き込まれました。
キャスト名 ユナ
이름 유나
Name Yuna
生年月日 2011年7月18日
血液型 -
身長 -
Instagram yuna110718
代表作品 Pachinko パチンコ 1、2
グッド・パートナー ~離婚のお悩み解決します~
グリーン・マザーズ・クラブ
地獄が呼んでいる

ソ・ヘウン役

ソ・ヘウン役の役柄
キム・ミョンジュンの妻、ヘウンは、過去に秘密を抱えており、物語後半にかけて鍵を握る存在に。
キム・シンロクはわずかな仕草や声色の変化で不気味さと悲しさを演出しており、登場するたびに緊張感が走ります。キャラクターの多面性を静かに、しかし深く表現していて、印象に残る名演でした。
キャスト名 キム・シンロク
이름 김신록
Name Kim Shin-rock
生年月日 1981年3月24日
血液型 -
身長 164㎝
Instagram kimshinrock
代表作品 隠し味にはロマンス
アンダーカバーハイスクール
地獄が呼んでいる1、2
ムービング
ある日~真実のベール

ドラマからピックアップ!今日の韓国語

見て、言って、覚えて、韓国ドラマがもっと楽しくなるプチコーナー。
「この単語、ドラマや映画で聞いた!」をどんどん増やしていきましょう♪

💡 今回の韓国語はこれ 💡
유괴
[読み] ユグェ
[意味] 誘拐

視聴レビュー

ネタバレなし感想

最初の数話を観た瞬間から、物語の世界にぐっと引き込まれてしまいました。
ユン・ゲサンが演じる“ちょっと間抜けで優しい誘拐犯”は、どこか憎めない存在で、思わず感情移入してしまいます。天才少女ロヒとのやりとりはテンポよく、ときにクスッと笑えて、ときに胸がぎゅっと締めつけられるような切なさも。

まるで感情が上下に揺さぶられる“ジェットコースター”のような展開で、先が気になって一気見してしまいました。

サスペンスの緊張感に加えて、登場人物たちの心の動きが丁寧に描かれているので、ミステリー好きはもちろん、ヒューマンドラマが好きな方にもきっと響くと思います。

🚧 ⚠️ 注意 ⚠️ 🚧
ここから先はネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

⇩  ⇩  ⇩


ネタバレ感想

単なる犯罪ドラマでは終わらない『誘拐の日』。記憶喪失の天才少女と、不器用なのような男が出会うことで物語は大きく動き出します。ミステリー要素に加えて、心温まる絆のドラマとしての完成度も高く、社会的なテーマを内包した作品です。以下では、5つの視点からその魅力を掘り下げていきます。

1. キム・ミョンジュン|不器用で優しい“誘拐犯”が心に残る理由

キム・ミョンジュンって、最初は正直パッとしない中年男性という印象でした。どこか生活に疲れていて、ちょっと抜けてるところもあるし、頼りがいがあるタイプには見えないんですよね。でも、少女ロヒと出会ってからの彼の変化が、本当に丁寧に描かれていて心を掴まれました。

不器用ながらも一生懸命にロヒを守ろうとする姿や、ふとしたときに見せる優しさ。彼女を見つめる眼差しには、言葉以上の想いが詰まっていて、そのたびに胸がじんわりと温かくなっていくのを感じました。

笑えるシーンでは、彼のちょっと間の抜けた行動に思わずクスッとしてしまったんですが、物語が進んで核心に迫る場面では、一転して彼の悲しみや怒り、そして決意がひしひしと伝わってきて、思わず息をのむ瞬間もありました。

キム・ミョンジュンという人物は、まるで少女との出会いを通して、少しずつ人間としての温かさを取り戻していくような存在でした。彼の存在があるからこそ、この作品全体に深みと優しさが生まれているんだと感じました。

2. 小さな体に秘めた強さと知性|チェ・ロヒの魅力

チェ・ロヒという少女には、本当に驚かされました。まだ小さくて幼いのに、鋭い観察力と大人びた落ち着きを持っていて、ただの「守られる存在」ではないんですよね。むしろ彼女こそが、この物語を動かしているんだと感じる場面がたくさんありました。

最初は警戒心が強くて、心を閉ざしていた彼女が、少しずつミョンジュンとの関係の中で笑顔を見せるようになっていく過程がとても丁寧に描かれていて、見ているこちらまで心がじんわり温かくなってきます。

物語が進むにつれて、ロヒの内に秘めた繊細さや知性、そして芯のある強さが浮かび上がってきて、気がつけば自然と彼女に惹き込まれていました。セリフひとつ、表情ひとつがすごく印象的で、ロヒの存在が周りの登場人物たちにも影響を与えていくのがわかるんです。

小さな体に、こんなにも静かで力強い魅力を秘めているロヒ。彼女はまさに、物語の“静かなヒロイン”だと感じました。

3. 信じたい、でも疑ってしまう…ドラマを支える対立の構図

このドラマの一番の魅力って、やっぱりミョンジュンとロヒの関係性だと思うんですよね。血のつながりはないのに、まるで親子のように少しずつ距離が縮まっていく過程が本当に丁寧に描かれていて、その一つひとつのやり取りにじんわりと心が温かくなりました。

でも一方で、その“信頼”が簡単には成立しない状況もちゃんと描かれているのが、この作品の奥深さなんですよね。警察、病院、過去に何か因縁を抱えた人たち…彼らが複雑に絡み合ってくることで、「この人は本当に味方なの?」「何を信じていいの?」って、観てる側もどんどん不安になっていく。

信じたいのに疑ってしまう、そんな感情がずっと心のどこかに残る。この“信頼と疑念”のせめぎ合いが、単なるサスペンスにとどまらない、人間ドラマとしての深みを生み出していて、本当に見ごたえがあります。

登場人物それぞれの過去や選択にちゃんと意味があって、人の弱さや葛藤、そして希望までもが描かれているから、ただの物語じゃなく、心に残る作品になってるんだと思いました。

4. 日常と非日常が交差する舞台設定の妙

『誘拐の日』って、タイトルだけ聞くとすごく重たくてシリアスな印象だったんですけど、実際に観てみると全然違いました。たしかに物語の始まりは“誘拐”というショッキングな出来事なんだけど、そこに流れているのは意外なほどの優しさや温かさ。そこにまず驚かされました。

舞台となる住宅街や病院、そして地方ののどかな町並みなど、どこか懐かしさを感じるような日常の風景が描かれていて、それが物語にしっくりと馴染んでいるんですよね。

非現実的に思えるストーリーなのに、どこか現実にありそうな感覚があって、気づけばすっと感情移入している自分がいました。

天才的な頭脳を持つロヒと、彼女を巡る大人たちの思惑が絡み合っていく展開はスリリングなんだけど、ちゃんと“人”が描かれているから、ただのサスペンスじゃないんです。

登場人物たちの心の揺れや葛藤が丁寧に描かれていて、観ていてじんわりと心に響くものがありました。

ミステリーやサスペンスの緊張感がありつつも、どこか不思議であたたかい。この独特のバランス感覚が本当に心地よくて、「こんな作品、もっと観たい」と思わせてくれる一本でした。

5. 『誘拐の日』が他の恋愛ドラマと違う理由


 ✔ 記憶喪失や家族問題など、心に響くテーマが盛り込まれている
 ✔ 静かで美しい映像と音楽が、じわじわくる緊張感を生み出す
 ✔ 笑えるのに泣ける、絶妙な“笑いと涙”のバランス
 ✔ 恋愛ではなく、親子のような絆を丁寧に描いている
 ✔ 見終わったあと、余韻とあたたかさが心に残る

このドラマは、恋愛や友情とは別の“人と人のつながり”を描いた異色作です。視聴後には、言葉にできない余韻が残り、何気ない日常の中の奇跡について考えさせられるはず。サスペンスを超えたヒューマンドラマとして、多くの人に観てほしい作品です。

💡 『誘拐の日』を観るなら?

現在、本作は以下の配信サービスで視聴可能です。
✅ prime video(※配信状況は変更になる可能性があります)


日本リメイク版も登場📢

話題の韓国ドラマ『誘拐の日』の日本リメイクされることが正式に発表されました。
斎藤工と永尾柚乃という豪華キャストが決定し、注目を集めています。
原作となった韓国ドラマは、2023年に韓国の有力スタジオ「ASTORY」が制作した作品で、『シグナル』や『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』など数々の名作を手がけたスタジオです。
日本版は、『下町ロケット』や『半沢直樹』などで知られる丑尾健太郎さんが脚本を担当し、演出は映画『神様のカルテ』やドラマ『星降る夜に』を手掛けた深川栄洋さんが務めます。
物語は、疑似親子の2人が次々に巻き込まれる危機を乗り越えながら犯人を追う、スリリングで感動的なヒューマンミステリー。韓国版の持つ重厚なテーマと緊張感を日本オリジナルの味わいに昇華させた作品に期待が集まっています。

  • 2025.7.8 火曜21:00~ テレビ朝日系
    『誘拐の日』

韓国、日本の配役はこのようになっています。
  • 韓国版〉キム・ミョンジュン役‥ユン・ゲサン
    日本版〉新庄政宗役‥斎藤工

  • 韓国版〉チェ・ロヒ役‥ユナ
    日本版〉七瀬凛役‥永尾柚乃

韓国版と日本版の違いを見比べて楽しむのも、この作品の新たな楽しみ方です!

キーワード🔑

韓国ドラマ『誘拐の日』のキーワード
#誘拐 #記憶喪失 #サスペンス #天才少女 #冤罪 #親子の絆 #予測不能

最後まで読んでいただきありがとうございました。
あきらのひとりごとでした。

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